The website of Mari Clothier 執筆・リサーチ・取材・編集 ―― ニュージーランド在住ライター クローディアー真理


アンテナにピピッ! ときた ―― nz ニュース in 2009

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2009年11月10日

「ニュージーランド・サイクル・トレイル」の最初のコースの建設に着手

ニュージーランドを自転車に乗って周遊するための「ニュージーランド・サイクル・トレイル」プロジェクトの最初のコースの建設が始まった。ワイカト川から5つの水力発電ダムを通って走る全長100キロの自転車専用道は以前より整備が進められており、その最後の41キロがこのプロジェクトとして初の工事区間となる。

ワイパラ・ダムからカラピロ湖、そしてファカマルからマンガキノに至る2区間が整備され、ボートレースのワールドカップがカラピロ湖で行なわれる来年10月までに完成する予定となっている。

このトレイルを含め建設が進められる7つのクイック・スタート・トレイルは、「ナ・ハエレンガ(マオリ語で『旅路』)」と名づけられ、すでにニュージーランド観光局が展開している「100%ピュア・ニュージーランド」のブランドと共に、海外旅行者招致に一役買うことが期待されている。

2009年11月10日

問題行動の目立つ昼休みの分割化

小学校で決められている昼休みの1時間に問題を起こす生徒が多いとして、クライストチャーチを中心に、昼の休み時間を半分にする学校が増え始めている。特に昼休みの最後の15分にこうした問題が持ち上がることが多いそう。

正午に30分、午後1時半から30分の休みを取る学校や、午前11時に15分、午後12時15分に30分、午後1時半に15分の休みを取る学校など、取り組みはさまざまだが、今までの昼休み1時間を分割して休ませることは共通している。体を動かした後にはより集中力が出るとのリサーチ結果に基づき、休みと休みの間に算数の勉強を行なうなど、休みを分割化することにより、問題行動の減少を図るだけでなく、子どもの勉学によりプラスにように、時間を利用しようとする学校が多い。


2009年11月9日

宿題は勉強の役に立たない!?

宿題はどのようなタイプのものかによって、子どもの学習にプラスになることもあれば、マイナスになることもあるということが134の研究をもとに、オークランド大学の専門家によりまとめられた『Best Evidence Synthesis (BES)』という論文で明らかになった。

クライストチャーチにあるウィンザー・スクールの校長、ニール・オライリー氏は今回の発表より前から、その経験を踏まえた上で、今までの典型的な「やらなければいけない」宿題は子どもにストレスを与え、逆効果しかもたらさないことを指摘。同校では、読みや、暗記を必要とする基礎学習などの「やるべき」宿題以外に、やるやらないは個人に任された、5つの「チャレンジ」が出され、今まで一般的だったプロジェクトなどの負担がかかるものが宿題として出されることはなくなった。

この「チャレンジ」は、例えば3年生の生徒にとっては家族のために食事を作ることであったり、6年生にとっては3コースある食事を作った上に、バックグラウンドミュージックを選び、どのような照明のもと食事をするかまでを決めたりするような、ユニークな内容となっている。これは「学習」イコール、学校での知識の吸収だけではないということを示している。

家庭では、スポーツ、音楽、ボーイスカウトなどといった、勉強とは別の大切なことを生徒たちは経験すべきとオライリー氏は考えている。「これをやってください」と親に宿題をわたし、子どもにそれをやらせるよう指示するより、小学生時代には学習というものを好きになってくれるよう、子どもたちを指導するのが私たちの役割とも、オライリー氏は語っている。



2009年11月1日

キーウィの夢はどんな夢?

ニュージーランド・ロッタリーズ主催で、今年の6月に1,291人の大人を対象に行なわれた「あなたの夢は何ですか?」という調査の結果が発表となった。これは対象者に子どもの時の夢、現在の夢、そしてニュージーランドに望むことの3つの項目について尋ねたもの。

子どもの時の夢は22パーセントの人が“ペットを飼うこと”とし、それに続き15パーセントが“ディズニーランドに行くこと”、“新しい自転車を買うこと”、さらに11パーセントが“旅行に行くこと”を挙げた。“将来お金持ちになること”を挙げている人も9パーセントいた。

そのほかのユニークな願い事としては“オールブラックになる”、“そばかすをなくす”、“スタートレックのコンフェレンスに出席する”、“お姫様になる”、“魔法を使えるようになる”などがあった。
こうした「子どもの時の夢がかなったかどうか?」については、かなわなかったとした人は、全体の27パーセントのみとなっている。

「現在の夢は何か?」の問いには、36パーセントの人の“もっとお金を手に入れること/宝くじに勝つこと”を筆頭に、30パーセントは“自分と家族の健康”、27パーセントは“旅行に行くこと”、18パーセントは“家の購入”そして6パーセントは“世界平和に貢献するために慈善団体に寄付したい”と答えている。

そのほかには“やせたい”、“体を鍛えたい”、“美しくなりたい”というルックスに対する夢を挙げた人、“昔に戻りたい”や“死ぬ時は穏やかに死にたい”とする人もいた。

ニュージーランドに望むこととしては、スポーツ好きな国民性を反映して、 “ワールドカップでニュージーランドが勝つこと”とした人が18パーセントとトップを飾った。僅差で、12パーセントの人が“犯罪や暴力の撲滅”、11パーセントが“この国に将来性のある国になってほしい”、10パーセントが“世界中からの旅行者がこの国を訪れてほしい”が2位から4位を占めた。


 2009年10月19日

カカポのシロッコ、世界の注目を浴びる

ニュージーランド`の原生鳥類の中でもオウムの一種であるかカポは現在124羽しか残っておらず、絶滅の危機にさらされている。そんな希少な鳥の1羽でシロッコという名のカカポが出ているユーチューブへのアクセスが、先週末で100万件を超えた。

BBCで高視聴率を獲得している『Last Chance to See』シリーズのひとつに出演以来、シロッコの人気はうなぎのぼり。今回注目を浴びているユーチューブもこの番組の一部だ。現在約4,000人がそのフェイスブックに登録、ツイッターでは約2,000人がカカポについての質問などを常時やりとりしているという。

このシロッコのおかげで、先週だけでも3,000ドルの寄付金が集まっただけでなく、海外のグループはカカポをモチーフとしたジュエリーを作り、その収益の一部を、また国内のTシャツ製造メーカーは、カカポの柄のTシャツを売り出し、その収益の30パーセントを、カカポ・リカバリー・プログラムに寄付することを約束しているという。

シロッコはひなの時に呼吸器感染を起こしたために、人間に保護され育てられたという生い立ちを持つ。それだけに人間に馴れており、カカポと人間との間の重要な橋渡し役として、リカバリー・プログラムにも多大な貢献をしている。

今年は33羽のひなが生まれ、これらは順調に育っているという。カカポの保護にはボランティアがなくてはならない存在だ。先夏の3ヵ月間に100人のボランティア各人がそれぞれ2週間という期間をカカポのために費やしている。

シロッコのユーチューブを見る場合→


2009年10月7日


独特の爬虫類・両生類をもっと身近に

ニュージーランドで初めての、専門家にも子どもにも使える、インターネットで見られる爬虫類と両生類動物に関する分布図が環境局から発表された。

この分布図のホームページでは、学名や一般名から100種類以上の原生の爬虫類、両生類を検索できるようになっている。検索すると該当動物の分布はもちろん、どのような特徴があるのか、そんな習性を持っているのか、また生育数による絶滅の危険性、学名、一般名、写真などまでが掲載されている。

これは過去40年にわたる、学者や学芸員などの専門家や一般人からの1万7,000件の目撃情報を集大成したもので、この分布図を発表することによって、さらに一般の人々に、世界のほかでは見られない独特の生態を持つこれらの動物に親しみを持ってもらうのが狙いのひとつだ。

環境局では、この分布図で知識を得た人たちに、これらの動物を目撃した際には環境局に連絡を取るように促しており、その結果をこの先もどんどんこれに盛り込んでいくことになっている。分布図は今年の12月に書籍としても出版されることになっている。

この分布図を見たい場合→
原生の爬虫類・両生類を目撃した場合→


2009年8月26日

倫理にかなったチョコレートを求めるキーウィ

誰もが大好きなチョコレートだが、その主原料、カカオの原産地であるアフリカの農園でそれを採取しているのは、主に奴隷として売られた子どもたち。こうして収穫されたカカオを使用したチョコレートをニュージーランドではボイコットすべきと、フェアトレード(公正貿易)の商品を扱うトレード・エイドの責任者、ジェフ・ホワイト氏が語った。

このように強制労働を強いられる子どもたちの年齢は10、11歳で、農園主に買われて日に12時間の労働を課せられ、夜は狭い部屋に鍵をかけて閉じ込められるという。国際労働機関による2005年の報告によると、象牙海岸のココア産業だけで15万人の子どもたちが働かされているという。

ホワイト氏はニュージーランドのチョコレートにも「スレーブ・フリー(奴隷労働で収穫されたカカオを使用していない)」というラベルを作り、貼るべきだと主張している。英国とアイルランドでは今月から国内で販売される、倫理にかない、子どもの奴隷の手によらないチョコレートバーには「フリートレード」ラベルが貼られるようになっている。

ニュージーランドのウィッテイカーズ・チョコレーツ社は、同社のチョコレートの原材料にはまったく子どもの奴隷は関わっていないと自信を持っている。

ニュージーランド国内市場で大きなシェアを占めるカドバリー社のチョコレートは、原料にヤシ油を使用し、オランウータンの生息する熱帯雨林の破壊を助長していると、先日やり玉に挙がったばかり。同社は原材料のカカオは象牙海岸からのものでなく、ガーナからのものを使用しており、奴隷とは関係ないことを主張している。さらに国内、オーストラリアで最もよく売れている「デイリー・ミルク」チョコレートを2010年までにフェアトレード商品とするために同社は努力をすることを明らかにしている。

2009年8 月22日

体罰は子どもをしつける方法の一部。国民投票の結果発表に

「子ども をしつけるための体罰を刑法上違反とするかどうか」を問うた国民投票が20日に締め切られた。有権者のうちの54パーセントが投票し、「違反とすべきではない」が87.6パーセント、「違反とすべき」が11.81パーセントという結果が出、2007年に制定された「体罰は刑事上違法」という現行法に、国民のほとんどが反対であることが明らかになった。

この国民投票を組織したキーウィ党党首、ラリー・ボルドック氏は、この結果は国民が自分の子どもをしつけるにあたっての権利を取り戻したいという姿勢の表れだとし、ジョン・キー首相はこれを深刻に受け止め、法改正をなすべきだと主張。それに対し、キー首相は、厳粛にこの結果は受け止めるものの、改正の予定はないとコメントしている。国民投票は基本的に国民に意見を問うものであり、決定権は伴わない。

国民投票を行うにあったって約900万ドルという多大な費用がかけられた点、また投票用紙に書かれた質問の表現法が不明瞭であった点など、いくつかの論点を抱えた今回の投票だったが、前回1995年に行われた消防署員の数をめぐる国民投票の際の投票率26.96パーセントに比べ、格段にその率が高いことから国民がこの問題に対し高い関心を寄せていることがよくわかる。

2009年8月14日

交通事故数の軽減につながるか? 運転中の携帯電話の使用が禁止に

遅ればせながらこの11月1日からニュージーランドでも、車を運転している際に携帯電話で話したり、テキストをしたりすることが禁止になり、これに違反すると80ドルの罰金と、20デメリットポイントが課せられることになった。罰金の代わりに警察官は携帯電話を押収し、後に持ち主に返却することも行われるという。さらに2回目以降の違反ではこれを持ち主に返却しなくてもいいことになっている。

2003~2008年の間に国内では、携帯電話が原因でけが人を出した事故は482件、死者の出た事故は25件起こっており、国民の75~80パーセントは、運転中の携帯電話の使用を禁止する今回の法改正に賛成している。

ビジネスを進める際に携帯電話に頼っている企業には、車中に携帯電話を手で持たなくても済むハンドフリーセットを備え、それを利用するように薦めている。また、警察や救急車にかけるなどの、緊急の場合には運転中に携帯電話を使うことは問題ない。


2009年8月12日

ニュージーランドの教育の質の向上につながるか? 校長に対する指針発表間近

2006年に行われた経済協力開発機構主催の学習到達度調査で、ニュージーランドの子どもたちは好成績を残したが、それを支えるもののひとつに教師の質の高さが挙げられる。教育省から新たに、教師のトップに立つ校長のための指針が設定され、向こう2ヵ月の間にそれが発表となることが明らかになった。

オークランド市内の高等学校校長の組織による会合で、教育大臣のアン・トリー女史は、1998年以来初めて改められる今回の校長のための指針発表を間近に控え、スピーチを行った。

「校長にどのようにして良き指導者となるか、そして優れた指導者となった校長はどのように生徒の勉学に影響を与えていくか」ということを踏まえた上で、校長たるべき者がどうあらねばならないかが、今回の指針に盛り込まれている、とコメント。

校長は各校の理想像を掲げ、ニュージーランドを担う二文化(ヨーロッパ系白人の文化と、先住民マオリの文化のこと)の伝統を守った上で、学習面、社会面、文化面といった各分野にわたり、各教師が安心して生徒の指導に勤しめる環境を自校に整えなくてはならない。教授法、学校組織、校風に至るまで、校長なくしては、その前進はないとし、女史は指針を通し校長の質がさらに向上すること、そしてそれに伴い各校がより良い学びの場となることを期待するとした。



2009年8月10日

子どもの肥満問題の鍵を握るテレビの視聴

ネットサーフィンやコンピューターゲーム同様、ニュージーランド人がテレビの視聴に費やす時間は年々増える傾向にある。8日に南島のクィーンズタウンで行われた幼児教育に関する会議で、不適切な食生活や運動不足と同じく、テレビの見過ぎが肥満児を作り出していると指摘された。これは、オタゴ大学のボブ・ハンコックス博士による、1972、1973年生まれの1,000人の生活を幼少時から大人になった現在に至るまで追い、その結果をまとめたものをもとにしている。

テレビの視聴は運動不足を招くだけでなく、見ている最中に食べ物を口にすることが増え、その食べ物も不健康なものになりがち。子どものテレビの視聴時間が2 時間を超え1時間増えるごとに、子どもが何の資格を得ることもないまま学校を卒業・退学する可能性も15パーセント増えると同時に、大学の学位を取得する可能性は25パーセント減る。それだけでなく、喫煙の開始や集中力の低下などの問題も引き起こすことがわかった。

肥満の原因にはそのほかに睡眠不足も挙げられている。5~11歳児の睡眠が11時間以下になると、肥満問題を抱えるようになるという。ニュージーランドの子ども全員がテレビを見る時間を日に2時間以下に抑えれば、肥満児は15パーセント減るだろうと予測されている。


2009年8月6日


体罰はOK? それとも違法? 国民投票、開始される

ここしばらくニュージーランドの世論を2つに分けているのが、「子どもをしつけるための体罰を刑法上違反とするかどうか」という質問だ。ニュージーランドではすでに2007年に、「体罰は刑事上違法」であることがすでに決められている。しかし、この決定に疑問を持つ者が署名を集めた結果、今回この法が国民投票にかけられることになったのだ。

この法律を世界でも類を見ないものと評価するアメリカの専門家もいる。スウェーデンでも体罰は禁止されているが、それが刑法上違法であるとして処罰されるのはニュージーランドのみ。体罰までもいかない軽いお仕置きであっても、刑罰の対象となるため、人類が始まって以来ずっと行われてきた、子どものしつけ法のひとつがこれで否定されたことになる。

今月に入ってからテレビ局、ワン・ニュースが行った世論調査によれば、対象となった国民の83パーセントは、子どもをしつけるための体罰を行うのは問題ないとする一方、その7分の1はいかなる状況下でも体罰は行われるべきではないと考えていることがわかった。ジョン・キー首相は過去6ヵ月の警察大臣への報告を見ても、同法律に触れたための処罰された者がいないのは、この法律のおかげと評価している。

この法律の内容、そしてその反対者の多さも注目を集めているが、国民投票を行うにあたり900万ドルという多大な費用がかけられたことも、大きな反響を呼んでいる。先のワン・ニュースの世論調査ではその76パーセントが出費は無駄と考え、20パーセントは価値があるとしている。

投票は今月20日を締め切りとし、投票用紙がすでに有権者に配布されている。国民投票は国民の意見を問うものであり、決定権はない。結果が出るのは月末になる予定となっている。



2009年8月5日


今年も行われた「母乳推奨週間」

ニュージーランドでは母乳で子どもを育てることの大切さが普段から強調されているが、北島ギズボーンで1日、どこででも赤ちゃんに母乳を与えられるようにと、デモ行進が行われた。これは「母乳推奨週間」の始まりと偶然機を同じくして、起こった事件が発端。公衆の場で母乳を与えたことを非難されたひとりの母親をサポートするために行われたのだ。人権法では、職場、教室、公共交通機関、役所などの公的建物内、公衆の場やレストラン、店舗などにおいて、母親が子どもに母乳を与えるのを何者をも止めることはできない、としているが、この母親は同市内で、ほかの人から見えないところで母乳を与えるようにと言われた。

「子どもに必要な栄養を与えるのは自然なことで、それは誰もが認めるべき。これを無作法ととらえるのは間違っている」とデモの主催者側は語る。これにギズボーン市長をはじめ、多くの店主たちも支持を表明している。

こんな風に始まった今年の母乳推奨週間だが、7日に行われた全国で同じ時間に子どもに母乳を与えるイベント、「ビッグ・ラッチ・オン」は過去の記録を塗り替え、大成功に終わった。このタイミングで母乳を子どもに与えた母親の数は1,299人と、前年より177人も増え、また一会場でのその数も過去最高であった83人を大きく上回り、178人という結果となった。



2009年8月5日

一緒になるなら、どの国の男性? キーウィ第8位を獲得


先進12ヵ国、20~45歳の1万3,500人の男女を対象に、英国オックスフォード大学の経済学者が行った調査によると、ニュージーランド人男性は世界で8番目に良い夫であるという結果が出た。これは決して悪い結果ではないものの、妻を家事や育児の面で熱心にサポートすることで知られる、ニュージーランドの「キーウィ・ハズバンド」としては、不服かもしれない。

世界的にみて、男女とも自分の結婚相手がお互いに家事の役割を負担することがわかっている場合、双方とも結婚、または同棲を望むことが多いという。女性にとっては、男女平等が実践されている国出身の男性の方がより魅力的ということになりそうだ。

男女平等が尊ばれる国では、例えば男性が育児休暇を取ることが一般的であることが多く、それを取ることが普通のこととなり、どの男性も取ることになる。つまり女性が伝統的に行ってきた役割を男性が担うことに対して、社会的な抵抗がなくなるということになる。男性はこうした風潮の中、家庭での役割をより増やしていき、それがより調和の取れた夫婦関係に貢献している。

今回の調査では、ノルウェー、スウェーデン、英国、アメリカの男性がトップ4を占め、それに続き、オランダ、アイルランド、スペイン、ニュージーランド、日本、ドイツ、オーストリア、そして不名誉な最下位に甘んじたのがオーストラリア人男性だった。


2009年7月30日

国民よ、もっと健康的な生活を!

つい先日、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で、アメリカ、メキシコに次ぐ肥満大国であるという不名誉な事実が明らかになったニュージーランドだが、統計局により行われた社会的、経済的状況とサスティナビリティを踏まえた上でのライフスタイルの調査で、全国民のたった7人に1人しか、健康的な生活を送っていないことがわかった。

今回の調査では、喫煙するかしないか、アルコール摂取量の適切さ、果物と野菜を十分に取っているか、適切な体重を維持しているかなどが尺度とされた。これを基準にした場合、健康的なライフスタイルを送っているのは、パケハ(ヨーロッパ系ニュージーランド人)でわずか6人に1人、マオリで16人に1人、そして南太平洋諸国系ではたった25人に1人と、各民族とも残念な結果に終わった。

現在国民の63パーセントが伝染性の病気ではない、心臓病、脳卒中、2型糖尿病、そしてガンで亡くなっている。こうした病気に罹る危険性を減らすにも、今回調査基準となった分野の行動を、各人が日常的に見直す必要があるとされている。



2009年7月28日

ニュージーランド一のパイを食べるならタウランガへ

ニュージーランド人の食生活にはなくてはならないのが「パイ」。今年も国内で一番おいしいパイを決めるベイケルズ・ニュージーランド・シュープリーム・パイ・アワーズの結果が発表となった。

今回は388軒のパイ製造業社が名乗りを挙げ、全11部門にわたり、部門ごとの専門家による厳正なる審査が行われた。その結果、グルメ・ミート部門で金賞を取った、北島のタウランガにあるゴールドスター・パトリックス・パイズ・ベーカリーのクリーミー・ベーコン・マッシュルーム&チーズ・パイが今年の最優秀賞に輝いたのはもちろんのこと、ベーコン&エッグ部門、シーフード部門でも同ベーカリーは頂点を極めた。

毎年審査員は変わっているのにも関わらず、ゴールドスター・パトリックス・パイズ・ベーカリーが2003年、2004年の金賞に続き、今回3回目の受賞という、今までにない快挙を成し遂げたのは、まさにそのおいしい味と高い品質を裏付けたことにほかならない。

今回のパイ・アワーズではアジア系キーウィが経営するパイ製造業社の健闘が目立った。参加業者の60パーセントが、また受賞者の50パーセント近くがアジア系キーウィによる企業であるという。

最優秀賞と全11部門の金賞は以下の通り。
シュープリーム・パイ・アワード
クリーミー・ベーコン・マッシュルーム&チーズ・パイ
Goldstar Patrick's Pies Bakery & Cafe
19 Bethlehem Rd, Bethlehem Town Centre, Tauranga

ミンス&グレービー部門金賞
Jackson's Bakery & Cafe
Middle Road, Havelock North

ステーキ(サイコロ型)、ベジタブルズ&グレービー部門金賞
Dairy Flat Bakery Ltd.
1433 State Highway 17, RD4, Albany

チキン&ベジタブル部門金賞
Food For Thought
574 Pollen Street, Thames

グルメ・フルーツ部門金賞
ベリー・ベリー・アップル&フランジパーニ・パイ
Better Quality Pies
2Tarewa Road, Rotorua

グルメ・ミート部門金賞
シュープリーム・パイ・アワード
クリーミー・ベーコン・マッシュルーム&チーズ・パイ
Goldstar Patrcik's Pies Bakery & Cafe
19 Bethlehem Rd, Bethlehem Town Centre, Tauranga

ベジタリアン部門金賞
ブロッコリー・カリフラワー・スピニッチ・セロリ・キャロット・レッドペパーズ・イン・ガーリックインフューズド・ホワイトソース・パイ(ガーリック風味のホワイトソース入りブロッコリー・カリフラワー・ホウレンソウ・セロリ・ニンジン・赤ピーマン)
Jackson’s Bakery & Café
15 Middle Road, Havelock North

ベーコン&エッグ部門金賞
Goldstar Patrick’s Pies Bakery & Café
19 Bethlehem Rd, Bethlehem Town Centre, Tauranga

ミンス&チーズ部門金賞
Hollies Bakery
Swansea Road, Flaxmere Shopping Centre, Hastings

ステーキ&チーズ部門金賞
The Bakehouse Café
114 Church Street, Opotiki

シーフード部門金賞
スキャロップ・プローン・ムッセル&スリミ・ウィズ・スモークフィッシュ・イン・ホワイトソース・パイ(ホワイトソース入りホタテ貝・エビ・ムール貝・スリミと魚の燻製)
Goldstar Patrick's Pies Bakery & Cafe
19 Bethlehem Road, Bethlehem Town Centre, Tauranga

コマーシャル/ホールセール部門金賞
Oxford Pies
142 Maui Street, Hamilton

2009年7月27日

サドル上から見えてくる新しいニュージーランド

「ニュージーランド・サイクルウェイ」プロジェクトの中の「グレート・ライズ」と名づけられた自転車道の完備が進められることが決定し、この度ジョン・キー首相による発表が行われた。

この夏から整備が始まる予定となっているのは、全部で7つで、以下の通り。各トレイルの全行程のオープンを目指すのではなく、当面はそれぞれの一部分が優先的に整備されることになっている。

1. Hokianga to Opua/Russel(北島ホキアンガ~カイコヘ~カワカワ~オプア/ラッセル)
2. Hauraki Plains Trails(北島テムズ~パエロア~ワイヒ&テ・アロハ)
3. Waikato River Trail(北島アラプニ・ダム近郊~3つのダム~アティアマン・ダム)
4. Central North Island Rail Trail(北島マンガポヒとマンガキノの間付近にあるスカイウェイ・キャンプ場~テ・コウラ~
タウマルヌイ)
5. Mountain to the Sea(北島ルアペフ山~ワンガヌイ)
6. St. James Great Trail(南島テニソン湖付近~チャーリーズ・サドル~エドワーズ渓谷)
7. Southland/Queenstown Lakes Around the Mountain Rail Trail(南島ウォルター・ピーク~ラムズデン~
キングストン)

南島にすでにあるオタゴ・トレイルには年間約1万人の利用者があることから、今回整備を着手するトレイルも同様の多くの利用者を見込んでいる。海外からこれらトレイルでのサイクリングを目的に訪れる旅行者がどれだけいるかに関しては、現在市場調査が行われている。ニュージーランドを代表し、海外旅行者も多く訪れるウォーキングトラック9つ、「グレート・ウォークス」に負けない人気を目指している。

新しく整備されるこれらトレイルは、各トレイル近隣の町へ長期間にわたって経済的、社会的なメリットをもたらすことが期待されている。

各サイクルウェイに関する詳しい情報は→

2009年7月25日

より現実的なものに変化。キーウィの結婚式の誓いの言葉

ニュージーランド人カップルの結婚式での誓いの言葉が最近変化を見せていることがわかった。今まで一般的だった「死が私たちを分かつまで」という言葉が、昨今の世相を反映した、より実現可能なものに変わってきているのだ。お互いを尊敬することや従うことを誓うことも、同様に減ってきているという。

ニュージーランドではキリスト教式の結婚式のほかに、宗教に関係なく男女を結婚させることのできるマリッジ・セレブラントが司る式を挙げることも可能。近年カップルはより現実的になっており、「愛が続く限り」という条件を誓いの言葉に入れることも珍しくないと、多くのセレブラントが語っている。

ある聖公会の牧師がによれば、彼の司る結婚式では「死が私たちを分かつまで」という伝統的な言葉を使うカップルは少なくないそうだが、やはり「従う」という言葉には、抵抗を見せるカップルは多いという。

カップルの多くが相手を「人生のパートナー」として見、結婚相手は「親友」であるという考え方、そして昨今の離婚率の高さが、結婚式での誓いの言葉に影響を及ぼしているようだ。

2009年7月25日

国民投票を控え、ニュージーランドの体罰事情が明らかに

8月21日に始まることが決まっている「体罰は犯罪か否か」を問う国民投票だが、その内容自体だけでなく、多大な税金をかけてこれを国民投票とすべきかどうかも取り沙汰される中、4歳児を持つ親200人に対して行われた調査で、体罰を子どもに行う親が少なくなっていることがわかった。

1963~1997年の間では、同条件の親の半分が少なくとも週に1回は子どもにおしおきをしていたが、今回の調査では週に1回は子どもにおしおきをするのは、わずか母親の9パーセント、父親の8パーセントに留まった。また、まったく体罰を施さないと答えた母親は39パーセント、父親は33パーセントに上っている。

その一方で、同調査により2年前に子どもに体罰を施すことが法的に禁止されるようになったものの、未だに父母それぞれの3分の2が時々おしおきをすることが明らかになった。

体罰に対して否定的な面も見せる一方、この国民投票に投票予定の親の85.4パーセントが「体罰は犯罪ではない」とする方向に票を投じるとしており、この点が関係者、そして国民の注目を集めている。

2009年7月23日

未だもって衰退の危険をはらむマオリ語

来週から始まるマオリ語週間を目前に控え、その現状についての分析が行われ、現在もマオリ語が失われる危険性は今も変わっていないことがわかった。

マオリ語はテレビ番組、ラジオ番組、学校で耳にすることがあるため、復興しつつあると勘違いしがちだが、実際はそれと逆といわれている。2006年に行われたマオリ語の現状に関する調査では、56万5,000人のマオリ人の中で流暢にマオリ語を操ることができるのは、たった1万8,000人という残念な数に終わっている。

「政府各機関と民間組織の協力が復興の鍵を握る。そしてマオリ語をファナウ(家族/一族)の各世代がコミュニケーションを取る際の言語に位置づけることが大切」とマオリ語委員会の理事は語る。

それを実現に近づけるためには、コミュニティーに重きを置くべきとされ、今年のマオリ語週間のテーマは「コミュニティーの中のマオリ語」となっている。コミュニティー自身とその中に存在する企業を巻き込むことによって、そこに暮らす人々にマオリ語の浸透を促すというのが、委員会の狙いだ。

同委員会はマオリ振興省と共に政府のマオリ語促進計画のイニシアチブを取っているが、この計画に関しても、効果を見せているコミュニティー中心のプロジェクトや各部族、準部族独特の方言使用に対する支援などと、平行する形で進められるのが好ましいとされている。



2009年7月21日

葉酸入りパン、見送りに

ニュージーランドで販売されるパンに葉酸を加えることを9月から義務化するかどうかでゆれていたニュージーランドの国会だが、最終的にその実現は見送られることになった。

2007年、前内閣の際にオーストラリアと合同で一旦は決定されたものの、今年5月の時点での世論調査によると、国民の87パーセントがこれを望んでいなかった。

支持者は、ニュージーランド人女性は慢性的に葉酸が足りない傾向があり、そうした女性から生まれてくる子どもが脊柱の水腫や水頭症になるのを予防するのに、葉酸は役立つとしている。子どもへのこうした影響を避けるために、出産を計画する女性は、妊娠の前後に葉酸を余分に摂取することが薦められている。

その一方ですべてのパンに葉酸が含まれた場合、消費者の選択の幅が限られてしまうこと、栄養バランスが損なわれる可能性があること、子どもや年配者がそれを過剰摂取してしまうことなどが挙げられ、反対意見も多く出ていた。一部では、男性に前立腺ガンや腸ガンを引き起こす例もあるとされている。

今回葉酸をパンに入れることは見送られたが、葉酸がそれを必要とする女性に不足していることには変わりなく、サプリメントだけでなく、それを含む野菜や果物、全粒パンを摂取することをより奨励する必要性が出てきている。


2009年7月3日

学校の資金調達のプロジェクトのお手本、「プライマリー・ピノ」

ニュージーランドの公立小学校は政府からの助成金と親からの寄付金で支えられているが、さらに資金集めのために、さまざまな活動が親により率先して行われている。グルメフードや贅沢なグッズを詰めたバスケットを当選賞品にしたくじを売り出したり、人通りの見込まれる場所でソーセージを焼き、それを売ったりすることが多い中、南島のマーティンボローでは、ワインの名産地ならではのユニークな資金集めが行われ、注目を集めている。

『200ハンズ』と名づけられたワインがそれ。マーティンボロー・スクールがマーティンボロー・ヴィンヤードの協力を得、ピノ・ノワール種のワイン造りを行っている。

200人目の入学者を記念したプロジェクトでもある、このプロジェクト、「プライマリー・ピノ」は、子どもたち自らが収穫したブドウを使ったワインを醸造。それら300本が売り出されることになっている。この日ピノ・ノワールを詰めた樽が小学校内に持ち込まれ、200人の子どもたち全員の手型が樽に押された。ワインボトルに張られるラベルも子どもたちによりデザインされることになっている。

地元のコミュニティとのつながりを一層強めることができる上、学校に必要な資金を調達するために子ども自身も参加できるのは、こうした活動のお手本といえる。さらに次の学期には、このワイン醸造がテクノロジーのカリキュラムで取り上げられることになっている。



2009年7月1日

医療目的での大麻使用にノー


大麻を医療目的で使用することを許可すべきとの法案をめぐり、グリーン党の過去3年間にわたる努力もむなしく、国会で行われた第一読会で早くも否決された。

反対86票、賛成34票に終わり、今回は法律化を断念せざるを得なくなったこの法案は、病気やけがに対し、大麻がどのような役割を果たしているかを明白にし、実際非合法であることを知りながら使用している人に、それを合法的に使う権利を与えることが狙い。さらに病気やけがに苦しむ人がそれを和らげるために大麻を使ったことが原因で拘置されている現状が指摘された。

法案では、患者は医師に「大麻カード」を申請・発行してもらい、警察に登録する。その上で少量の大麻を育て、それを痛みの緩和に用いるというシステムを提案している。

しかし、この法案が通ると社会的に大麻を認めたことになること、大麻を必要とするとカードの発行を申請する患者が後を絶たないだろうと予想されること、そしてすでに市場には大麻の活性化学成分であるテトラヒドロカンナビノールを含む薬品が出回っていることなどが挙げられ、結局医療目的での大麻使用の合法化は暗礁に乗り上げた。

2009年6月3日

平和をかみしめるならニュージーランド

オーストラリアのシンクタンクがEconomist Intelligence Unitと共同出版する『グローバル・ピース・インデックス』刊行に先駆けて、この度「エコノミックス・アンド・ピース」リストが発表となった。それによると、ニュージーランドは調査対象国144ヵ国の中でトップ、世界で最も平和な国であることが明らかになった。

この調査では、テロ事件の危険性
、凶悪犯罪の度合い、紛争の有無、殺人事件の発生率、軍事費といった24項目にわたって、対象国の情報収集した結果がまとめられている。対象国144ヵ国というのは、地球の全人口の99パーセントをカバーしており、この調査はほぼ地球全体を対象としていることになる。

政治面では、昨年末に新政権が発足し、安定していることや、隣国オーストラリアとの友好関係を維持していること、国内総生産に占める軍事費の低さ、社会面では凶悪犯罪や殺人事件の発生、人権尊重において、ニュージーランドは良い成績を収め、昨年の第3位から今年第1位に上がった。

小規模だが、安定していて、民主主義を実践している国が上位を占める傾向にある。ちなみに日本は第7位、アメリカ合衆国は第83位となっている。また最下位はイラクとなっており、3年連続の不名誉な順位となっている。

1

ニュージーランド

2

デンマーク

3

ノルウェー

4

アイスランド

5

オーストリア

6

スウェーデン

7

日本

8

カナダ

9

フィンランド、スロヴェニア

 

2009年5月29日

ニュージーランド産のワイン、世界でひっぱりだこ

世界でも指折りのワイン・コンテストである、第26回インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)で、北島、ホークスベイ地方にある比較的小規模なミッション・エステート・ワイナリーがひときわ注目を集めた。ミッション・リザーブ・シラー(2007)、ジュエルストーン・シラー(2007)の両方が金賞に、さらにジュエルストーン・カベルネ・メルローが銅賞に輝いたのだ。

6月4日に東京で行われるニュージーランドワインフェア2009(トレード向け)、8日に大阪で行われる、ニュージーランドワインフェア(一般向け)では、IWCで銅賞を受賞したジュエルストーン・カベルネ・メルローが紹介される予定となっている。

また、巨大な米国市場を抑えたワインもニュージーランド・ワイン。ノビロ・ソーヴィニヨン・ブランは、他のカリフォルニアの大手ワイナリーのワインを引き離して、巨大な米国市場で最も売れているワインとなった。さらに、その兄弟ブランドである、モンキー・ベイの売り上げは第4位、キム・クロフォードは第5位と、米国市場でニュージーランドのワインは大健闘を見せている。

この3つのワイナリーのワインや、ビール、スピリッツなど、複数の酒類を製造しているコンスタレーション社は、今年中に米国市場に100万ケースのニュージーランド・ワインを売り込もうとしている。そのうちの90パーセントはマールボロー地方産のソーヴィニヨン・ブランを予定しており、それは米国市場向けのニュージーランド・ワインの輸出量の40パーセントを占めることになる。


コンスタレーション社の手がけるニュージーランド・ワインは米国のみでなく、カナダ、オーストラリア市場でも売り上げを着実に伸ばしている。その一方で、最近価格競争が激しさを増している英国市場では苦戦を強いられている。

ミッション・エステート・ワイナリーについて詳しくは→
ノビロ、モンキー・ベイ、キム・クロフォードについて詳しくは→

 

2009年5月28日

ニュージーランド一のアイスクリームを食べたいならノースショアへ

毎年国内で一番おいしいアイスクリームを選ぶニュージーランド・アイスクリーム・アワーズの結果がこの度発表となった。今回13回目を迎えるこのコンテストには、211ものアイスクリーム、ジェラート、ソルベの参加があり、これらは11のカテゴリーに分けられ、審査が行われた。

その中で今年の最優秀賞、そして最優秀ジェラート賞に輝いたのが、北島はオークランドの対岸、ノースショアのタカプナビーチ・カフェ&ストアのリコリス・ジェラート。最優秀ソルベ賞にも、同カフェのマンゴー・ソルベが選ばれている。見ため、味わい、舌触り、口に入れた時の溶け具合などに着目して審査が行われるが、このリコリス・ジェラートはアニス系の味わいとクリーミーな舌触りがほぼ完璧に近いとの評価を得た。

今回のコンテストでは、ホーキーポーキー(歯ごたえのあるタフィーの入ったバニラ・アイスクリーム)、クッキー&クリーム、ストロベリー、チョコレートといったお馴染みのフレーバーのアイスクリームの例年通りの参加があったほか、ひねりをきかせて、フィジョア、グァバ、イチジク、ラベンダー、マヌカ・ハニー、レモン・カードといったフレーバーのものも登場した。

市販されていなかったり、ブティック生産のものの中には、サーモン、洋ナシとブルーチーズ、ストロベリー&コショウ&ウォータークレスなどといった、変り種もあった。また、ジェラートといえばフルーツ味が一般的だが、ジェラートとソルベ部門にもバラエティーが生まれ、キャロット・ケーキ、イースター・バン、ハニー&ナツメヤシなどのフレーバーも見られた。

過去12ヵ月の間に生み出された新しいパッケージを審査する部門が、今回から新設された。これには日本向けに輸出されるバニラ・アイスクリームのパッケージが最優秀賞に選ばれている。

以下は各部門の最優秀賞のアイスクリーム。

★最優秀賞
リコリス・ジェラート(タカプナビーチ・カフェ&ストア)

●スタンダード・バニラ・アイスクリーム部門
ティップトップ・バニラ・アイスクリーム(ティップトップ社)

●スタンダード・チョコレート・アイスクリーム部門
該当なし

●スタンダード・アイスクリーム・ウィズ・インクルージョンズ(中身入り)部門
ティップトップ・グッディグッディ・ガドロップス(テ
ィップトップ社)

●プレミアム・バニラ・アイスクリーム部門
ディープサウス・フレンチ・バニラ(ディープサウス2007社)

●プレミアム・アイスクリーム部門
リモナータ・チーズケーキ(キーウィ・アイスクリーム社)

●オープン・クリエイティブ部門
クリーミーチョコレート&ラズベリー&チリ・アイスクリーム(フォンテラ・ブランズ・ティップトップ社)

●キッズ・チョイス部門
キリンチー・ゴールド・チョコレートファッジブラウニー(エメラルド・フーズ社)

●輸出用アイスクリーム部門
ニュージーランド・ナチュラル・キーウィ・パブロバ(ニュージーランド・ナチュラル社)

●ジェラート部門
リコリス・ジェラートタカプナビーチ・カフェ&ストア)

●ソルベ部門
マンゴー・ソルベ(タカプナビーチ・カフェ&ストア)

●ローファット部門
シャトー・ストロベリー・ヨーグルト(エメラルド・フーズ社)

●新パッケージ部門
日本へ輸出用バニラ・アイスクリームのパッケージ(エメラルド・フーズ社)

 

2009年5月21日

集約型養豚場に警鐘

今月17日(日)にTVワンのドキュメンタリー番組、『Sunday』で放映された、養豚場でのブタに対する劣悪な待遇はニュージーランドを震撼させた。

ここで紹介されたのは、動物の福祉を考える団体、オープン・レスキューが、ニュージーランドのブタ肉業界の代表組織、New Zealand Pork Industry Boardのテレビ・コマーシャルに出演、国産ブタ肉の啓蒙にひと役かっていた、有名コメディアン、マイク・キング氏を伴って、養豚場に不法侵入、敷地内の様子を撮影したビデオだ。

北島パーマストン・ノースとウェリントンの間に位置するレヴィンの南にあるこの養豚場はNew Zealand Pork Industry Boardの元責任者であるコリン・ケイ氏所有。死んだブタが放置されていたり、狭いスペースで思うように動けないことへのストレスから柵を噛むブタの姿が見られた。中でも特に問題視されているのは、妊娠しているブタに対し、分娩枠(クレート)やメスブタ用の仕切り枠(ストール)を使用している点だ。

この告発後、農林省が同養豚場を訪れ、行った調査結果では問題はないと報告されたが、今回の事件は、狭い土地で集約的にブタを管理する、多くの養豚場のあり方を再検討するきっかけになりそうだ。

「清潔できちんと管理された養豚場で、倫理的にかなった方法で育成されたブタ肉である」ということを示すために、New Zealand Pork Industry Boardはそのパッケージに「100% NZ」というロゴを張っているが、これがあるからといって、このブタが放し飼いで育てられたのか、集約型養豚場で育てられたのかを知る手がかりにはならない。

ニュージーランドの消費者が倫理的見地に立って、自分の買うブタ肉を選択できるようにするためには、その生産地(国)、放し飼いであるかそうでないかなどの育成方法を示すラベルが必要となってきている。

この国でも、ブタ肉の一部は他国から輸入しているが、その生産国によっては、告発された状態よりひどい環境でブタを育成しているところもあり、このラベルがあれば、消費者はそうした倫理観に欠ける育成方法で育てられた海外からのブタ肉がどれであるかを識別できるようになる。

倫理にかなった放し飼いで育てられたブタ肉は、消費者の手元に届く頃には集約型管理で育てられたブタ肉より、キロ当たり少なくとも3ドル値段が高くなることが見込まれており、消費者が倫理観を選ぶか、それとも安価を選ぶかは注目に値するところだ。

 

2009年5月8日

ニュージーランド、母親になるのに適した国の世界第6位にランク


子どものための世界的な民間援助団体、セーブ・ザ・チルドレンは毎年、「母親指標(Mother’s Index)」を発表しているが、その報告書の中でニュージーランドは母親になるのに適した国のランキングで世界第6位であることがわかった。
この調査は世界158ヵ国に関し、女性の健康、教育、経済状態、政治への参加を示す「女性指標(Women’s Index)」と、子どもの健康、教育を示す「子ども指標(Children’s Index)」の双方から評価したもので、順位は以下のようになっている。

この「母親指標」が含まれた「State of the World's Mothers Report」は、特に5歳までに子どもが幼児教育を受ける機会の有無と後に受ける初等、中等、高等教育の双方に深い関係があることを示し、幼児教育の重要性を説いている。

先進諸国25ヵ国の幼児を取り巻く環境に関する報告書、「Early Childhood Development Report Card」には、出産・育児休暇制度、3歳未満児や4歳児の幼児教育に対するサービスの充実と政府の助成制度、資格を有する幼児教育従事者の割合、幼児教育機関での教育者と子どもの割合、子どもの健康福祉の行きわたり具合、貧困生活を強いられる子どもの割合など、10の基準が設けられている。

これをすべてクリアしているのはスウェーデンのみ。ニュージーランドは6基準を満たしているが、出産・育児休暇制度が不十分な点、国民総生産に占める幼児教育への助成が1パーセントに満たない点、子どもの貧困率が10パーセントを超える点、子どもの健康福祉の行きわたり方の不足の、4つの点での改善が求められている。ちなみに日本は4つの基準を満たすに留まった。

 
1
 スウェーデン
2
 ノルウェー
3
 オーストラリア
4
 アイスランド
5
 デンマーク
6
 ニュージーランド
7
 フィンランド
8
 アイルランド
9
 ドイツ
10
 オランダ
34
 日本

 

2009年5月6日

ニワトリの飼育方式をめぐり喧々諤々

先ごろ農林省からニワトリの飼育方式に関する調査結果が公表になった。ケージ飼いの場合はより羽が抜けやすいこと、平飼いと放し飼いの場合はニワトリが死んだり、けがをしたりする確率がより高いこと、とニワトリの飼育方式にはどちらにも問題点があることが確認されたほか、ケージ飼いのニワトリと、平飼いや放し飼いのニワトリのストレスはどちらもあまり変わらないという報告がなされた。これはケージ飼いのニワトリの方が、平飼いや放し飼いのニワトリよりストレスを感じているという今までの認識をくつがえすもので、注目を集めている。

鶏卵業者連合である、The Egg Producers Federationの責任者、マイケル・ブルックス氏はこの調査結果を歓迎しているが、動物の保護を専門に行うThe Society for the Prevention of Cruelty to Animals(SPCA)はこの結果は誤解を招くものとして非難している。

SPCAの代表、ロビン・キッペンバーガー女史は、この報告はケージ飼いされているニワトリはカゴの中に入れられているため、本能的な行動を全うすることができないという事実には変わりないとし、この根本的な問題に対して、何の調査もなされていないと述べている。

と同時に、「運動したり、羽ばたいたり、身づくろいをしたり、砂浴びをしたり、巣作りしたりするのは、ニワトリの持って生まれた自然な行動であり、ケージ飼いのニワトリはそれができない状態に置かれている。こうした本能的な行動を行う自由は1999年に定められたAnimal Welfare Act(動物福祉法)の基礎を形作る5つの柱のうちのひとつなはず」とコメント。「他国ではすでに禁止されている、残酷な飼育方法を続けるか否かを問う時に、このようなたったひとつの報告書にその判断材料を求めるのは間違っている」と憤慨している。

この報告などをもとに、ニュージーランド国内の家畜、ペット、野生動物、害獣の福祉について検討する委員会、National Animal Welfare Advisory Committee(NAWAC)は、卵を採取するためにケージで飼われているニワトリにはどれだけの占有面積が必要なのか、またこの飼育方式を今後も続けていくのかどうかを論議することになっている。

 

2009年5月4日

余暇の過ごし方から観察したキーウィ

OECD(経済協力開発機構)による、加盟各国の社会状況の最新情報と動きが掲載されている報告書、『Society at a Glance』が発表になり、中でもそのうちの18ヵ国の余暇に関する報告が注目を集めている。

これによるとニュージーランドは女性の方が男性よりも5分多く余暇を楽しむ時間を取っており、男性の方が女性よりも多く時間を取っている大半の国と、逆の傾向にあることが明らかになった。また性別に関係なく、余暇の過ごし方のひとつ、テレビの視聴に費やすのは余暇のための25パーセントに留まっている。これは47パーセントを占める日本だけでなく、他の加盟国と比較しても、かなり低い。

また、「ニュージーランド人は誰もがスポーツ愛好家だ」というイメージが世界的に浸透しているようだが、実際彼らがスポーツに取っている時間は余暇時間のたった5パーセントに過ぎず、従来のイメージを覆す結果となっている。

さらに一日のうち食事に費やす時間については、日本は2時間弱、ニュージーランドは2時間強と僅差となっているが、就眠時間はニュージーランド人の方が日本人より約1時間も長いことがわかった。

今回の報告書には暮らしの満足度や国民ひとり当たりの収入などについても触れられているが、ニュージーランド人は加盟国中第6位に入る満足度を感じている一方で、収入は下から3番目となっており、ニュージーランド人の幸福感はお金によるものではなさそう。

































 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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